kintoneで作業報告書や申請書を管理していると、
・手書き帳票の入力作業に時間がかかる
・現場から紙で提出された報告書を後から転記している
・部署やラインごとに帳票レイアウトが異なる
・報告内容を集計・検索しづらい
といった課題に悩まされることがあります。
特に工場、建設現場、店舗、倉庫などでは、
現場環境の都合により、紙の報告書や申請書を利用しているケースも少なくありません。
しかし、紙のままでは報告内容の検索や集計が難しく、
後からkintoneへ転記する場合も大きな手間が発生します。
本記事では、AI-OCRプラグイン for kintoneを活用して、
手書きの報告書・申請書をkintoneへ自動入力する方法をご紹介します。
手書き文字の読取りだけでなく、
表データのテーブル登録、時刻フォーマットの変換、従業員マスタとの連携まで、
実際の読取り結果をもとに解説します。
【この記事を読んでわかること】
・AI-OCRプラグインの設定方法
・手書き報告書・申請書をkintoneへ自動入力する方法
・報告書データを集計・従業員管理に活用する方法
AI-OCRで値を自動入力!入力作業の負担を大幅に削減
kintoneの拡張機能であるAI-OCRプラグイン for kintoneを活用する事で、
帳票を見ながら値を打ち込んでいた入力業務を、簡単に自動化することが可能となります。
AI-OCRプラグイン for kintoneは、
「ことば」でAIに指示を出すだけで、
請求書、契約書、履歴書、作業日報、申請書など、
様々な帳票から必要な情報を自由に抽出できます。
そのため、報告書や申請書のような企業独自の文書でも、
事前のレイアウト設定不要で、
簡単にご利用を開始いただくことが可能です。

報告書管理アプリを作成する
今回は下記のような手書きの作業報告書を、
AI-OCRプラグインを利用してkintone上にデータ化していきます。
工場、建設現場、店舗、倉庫などでは、
ネットワーク環境や現場運用の都合により、
紙の作業報告書や申請書を利用している企業様も多いかと思います。
報告書や申請書をkintoneへデータ化できれば、
・報告内容の検索
・作業時間の集計
・従業員別の履歴管理
・社内ワークフローでの承認
などに活用できます。
報告書のレイアウトは部署やラインごとに異なるケースもありますが、
AI-OCRプラグインでは、
1つの設定で様々なレイアウトの報告書を自動入力できます。

まずは、報告書内の項目を保存するフィールドを
kintoneアプリ側に設置します。
AI-OCRプラグインで保存先として指定できるフィールドは下記の通りです。
・文字列(1行)
・文字列(複数行)
・数値
・日付
・時刻
・ドロップダウン
・ルックアップ
今回は、
日付を入力する項目を日付フィールド、
数量を入力する項目を数値フィールド、
その他の項目を文字列(1行)・文字列(複数行)フィールドで作成します。
また、従業員マスタアプリから、
報告書上には記載されていない「役職」情報を取得できるように、
社員番号フィールドをルックアップフィールドとして設定します。
OCRで社員番号を抽出すると、
従業員マスタと連携し、
帳票上にない従業員情報を自動補完できます。

報告書内にある作業明細の表データは、
kintoneのテーブルフィールドへ登録します。
開始時間と終了時間は、
後から作業時間を集計できるように時刻フィールドで設定しておきます。
このように、報告書の本文だけでなく、
表データや時刻情報もkintoneで活用しやすい形に変換できます。

これでアプリ側の準備は整いました。
今回はゼロからアプリを作成していますが、
AI-OCRプラグインは既存のアプリにインストールしてご利用いただくことも可能です。
そのため、すでにkintone上で報告書の管理をされている場合は、
フィールドの設置作業は不要となります。
AI-OCRプラグインを設定する
次にプラグインの設定画面から、AI-OCRプラグインの設定をします。
1.基本読取り項目の設定をする
初めてアプリへAI-OCRプラグインをインストールする場合は、
フィールド設定欄で対象とする帳票モデルを選択し、
「フィールド生成・更新」ボタンを押下します。
読取りモデルは複数選択が可能なため、
1つのアプリで請求書、レシート、契約書、報告書など、
様々な帳票を管理することができます。
今回は報告書管理に利用するため、
「その他」を選択してフィールドを生成します。

2.カスタム読取り項目の設定をする
必要なフィールドを作成したら、次はカスタム読取り項目の設定をします。
カスタム読取り項目では「抽出項目」欄にデータ化したい帳票上の項目名をテキスト入力し、
「フィールドタイプ」「対象フィールドコード」欄で保存先のフィールドを指定します。
AI-OCRプラグインは「抽出項目」の情報からAIがファイル内を解析し、
値を抽出して指定のフィールドに自動入力します。
そのため、レイアウトの異なる帳票でも抽出したい項目の概念が同じであれば、
1つの設定だけで運用をいただくことが可能です。
少々の表記ゆれがある場合でも、しっかりと値を抽出してくれます。
今回は下記のような抽出項目で設定をしてみようと思います。
報告書上の表記を見ると、
「ライン名」に記入されている「キントーン」の文字と文字の間に、
大きなスペースが入っているように見えるため、
念のため指示文の中で「スペースを詰める」という補足を追記しました。
単に値を帳票から抽出するだけでなく、
値を加工して抽出するような設定をいただくことも可能です。

3.テーブルフィールドの設定をする
最後に、報告書内の表データを
kintoneのテーブルフィールドへ自動入力する設定をします。
欲しい表データが帳票上の何番目に存在するかを指定し、
保存先のテーブルフィールドを設定するだけで、
表データを簡単に自動入力できます。
作業時間や数量などの明細情報をテーブル化することで、
後から集計・分析しやすいデータとして管理できます。

これで準備完了です。
最後にプラグインの設定を保存し、アプリを更新します。
実際に手書き報告書を読み取ってみる
それでは、実際にAI-OCRの実行をしてみます。
アプリのレコード追加画面を開き、「読取り帳票」フィールドに報告書PDFファイルを登録します。
今回はPDFファイルで実行しますが、画像ファイルでも読取りが可能です。
読み取りモデルの値は「その他」しかないため、そのままにしておきます。

レコードを保存すると、レコード詳細画面の上部に「AI-OCR実行」ボタンが表示されるため、
ボタンを押下することで読み取りを実行します。
なお、レコード一覧画面にも実行ボタンが設置されているため、
大量のファイルに対してOCRを一括実行することも可能です。

それでは解析が終わりましたので、読み取り結果を見てみましょう。


今回は手書きの帳票でしたが、
各項目を正しく読み取ることができました。
また、「キントーン」の文字も、
指示通りスペースを詰めて登録されています。
報告書上に記載されていなかった「役職」情報も、
社員番号を元に従業員マスタから自動で取得できています。
さらに、テーブルフィールド内に自動入力された時刻についても、
「9時」「15:00」など記載形式が異なる値を、
kintoneで扱いやすい時刻形式に変換して登録できています。
このようにAI-OCRプラグイン for kintoneでは、
手書き文字の読取りだけでなく、データ加工・マスタ連携・表データ入力まで自動化できます。
報告書データをkintoneで集計・従業員管理に活用
報告書の情報をkintoneへデータ化することで、
報告書の検索が容易になるだけでなく、
値を利用した集計・グラフ化も可能になります。
例えば、
・従業員別の作業履歴管理
・ライン別の報告件数集計
・作業時間の集計
・不具合報告の検索
・社内申請ワークフロー
などに活用できます。
また、kintone上に作成した従業員マスタと関連付けることで、
「いつ・誰から・どのような報告を受けたか」を
従業員情報ベースで管理できます。

AI-OCRプラグイン for kintoneでは、
報告書や申請書の自動入力だけでなく、
OCR後のデータ加工・補完・翻訳なども自動化できます。
例えば、
・住所から郵便番号を自動補完
・コード番号の桁統一(0埋め)
・OCR後の文章校正
・外国語帳票の翻訳
・氏名のフリガナ生成
など、様々な活用方法があります。
まとめて確認したい方はこちらもご覧ください。
AI-OCR活用方法のまとめ記事はこちら
kintoneでOCRを活用したデータ入力・加工の自動化まとめ【AI-OCR活用】
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手書き報告書や申請書のような現場帳票は、
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