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投稿日|2025 年 07 月 07 日

複数の電子契約サービスで交わした契約書の一元管理をAI-OCRとkintoneで実現

今回はkintone専用の拡張機能であるAI-OCRプラグイン for kintoneを利用して、様々な電子契約サービスで交わされた契約書データの自動入力と効率的な契約書管理にチャレンジしてみます。

電子契約サービスをまたぐ包括的な契約管理システムは高額な専用システムが多い印象ですが、kintoneとAI-OCRを組み合わせることで、比較的リーズナブルに効率的な契約管理を実現することが可能です。

【この記事を読んでわかること】
・様々な電子契約サービスで交わした契約書の一元管理について
・AI-OCRプラグインで契約書データを自動入力する方法
・kintoneで効率的に契約管理を実現する方法

AI-OCRで値を自動入力!入力作業の負担を大幅に削減

kintoneの拡張機能であるAI-OCRプラグイン for kintoneを活用する事で、帳票を見ながら値を打ち込んでいた入力業務を、ボタン一つで自動入力することが可能となります。

AI-OCRプラグイン for kintoneは自然言語でAIに指示を出すだけで、請求書、履歴書、作業日報、伝票など様々な帳票から欲しい値を自由に抽出できます。
そのため、今回の契約書のような非定型文書でも、「事前のレイアウト設定不要」で、簡単にご利用を開始いただくことが可能です。

 

 

AI-OCRプラグイン for kintoneを利用した契約書データの読取りについて、設定方法と操作方法の詳細は下記記事もご確認ください。

AI-OCRプラグインで契約書の自動入力をやってみた【実践その2】

契約書ファイルと保存先のアプリを用意

自社で利用している電子契約サービスに関わらず、取引先からは様々なサービス経由で契約書の署名依頼が送られてきます。

このように、様々な電子契約サービスで交わした契約書ファイルの保存先をどこにすればよいか?
お困りの企業様が増えているのではないでしょうか。

通常、契約書のレイアウトにつきましても案件ごとにバラバラですが、AI-OCRプラグインはレイアウトの影響を受けないため、基本的には1つの設定で様々なパターンの契約書の情報を自動入力することが可能です。

本日は下記のような主要な電子契約サービスで交わした契約書データを、AI-OCRプラグインを利用して、kintone上にデータ化していきたいと思います。

今回は、クラウドサインとAcrobat Signで交わしたソフトウェア利用許諾契約書を2パターンと、Docusignで交わした建物賃貸借契約書を用意しました。

すべて各サービス上で電子署名が付されています。

 

クラウドサインで交わした契約書

 

 

Acrobat Signで交わした契約書

 

 

Docusignで交わした契約書

 

 

また、契約書内の項目を保存するフィールドを設置したアプリをkintone上に用意しました。

今回は日付を入力する項目を日付フィールド、金額を入力する項目を数値フィールド、自動更新契約に関する項目をドロップダウンフィールド、その他の項目を文字列(1行)フィールドで作成しています。

 

 

AI-OCRプラグインを設定

アプリに必要なフィールドを作成したら、次はプラグイン側で抽出する項目の設定をします。

AI-OCRプラグインは「抽出項目」の情報からAIがファイル内を解析し、値を抽出して指定のフィールドに自動入力します。
そのため、レイアウトの異なる帳票でも抽出したい項目の概念が同じであれば、1つの設定で運用をいただくことが可能です。
少々の表記ゆれがある場合でも、しっかりと値を抽出してくれます。

今回は下記のような抽出項目で設定をしてみようと思います。

「自動更新の有無」については、保存先をドロップダウンフィールドにしているため、回答してほしい値を指定しておきます。
今回は自動更新条項の有無を「有り」「無し」に回答を絞っておきます。

当該項目はソフトウェア利用許諾契約書と建物賃貸借契約書の両方に規定されていますが、上記のような指示で汎用的に運用いただけます。

 

 

これで準備完了です。

最後にプラグインの設定を保存し、OCRを実行します。

読取り結果

それでは、実際の読み取り結果を見てみましょう。

 

クラウドサインで交わした契約書

 

 

Acrobat Signで交わした契約書

 

 

Docusignで交わした契約書

 

 

全て100%の精度で読み取りができていました!!

今回はソフトウェア利用許諾契約書と建物賃貸借契約書という全く内容の異なる契約書で試してみましたが、1つの設定でしっかりと値を抽出できていました。

特に建物賃貸借契約書は「契約開始日」「契約終了日」という項目名が契約書上のどこにも記載されていませんが、「契約日」とは別にそれぞれ値を取得できています。

kintone上で効率的な契約管理が実現

契約管理をする上で面倒なのが、管理項目の入力作業です。

しかし、AI-OCRを活用することで管理項目の自動入力が実現するため、入力作業の負担を大きく軽減することが可能です。

また、kintone上で契約情報をデータ化することで、一覧画面での契約情報の確認や管理項目を利用した契約書の検索が実現します。

 

 

また、kintoneの通知機能を利用した契約更新の管理などもできるようになります。

 

 

もちろん、紙の契約書(手書き)をスキャンし、同じアプリ上で管理することが可能なため、kintone上で電子契約と書面契約の一元管理を実現いただくことも可能です。

まずはお試し利用

AI-OCRプラグイン for kintoneは30日間の無料お試し利用ができます。

製品に関するご質問、ご相談についてもinfo@kandi-sol.co.jpまでお気軽にお問い合わせください。

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