「OCRを導入したことはあるが、
帳票のレイアウトが変わるたびに設定をやり直すのが大変だった」
「新しい帳票を追加するたびに、ベンダーに設定を依頼していて、
思ったように使いこなせていない」
このような経験から、
OCRの導入自体に慎重になっている方も多いのではないでしょうか。
従来型のOCRの多くは、
帳票のどの位置に何が書かれているかを、
あらかじめ人が設定しておく仕組みを採用しています。
そのため、取引先ごとにレイアウトが異なる帳票を扱う場合、
・帳票の種類ごとに、個別の設定が必要になる
・レイアウトが少し変わっただけで、設定をやり直さなければならない
・設定作業を自社で行えず、都度ベンダーへ依頼するコストが発生する
といった負担が発生しやすくなります。
本記事では、位置情報や正規表現をもとに読み取る従来型のOCRと、
AI-OCRプラグイン for kintoneのような生成AIを活用したOCRとで、
何が違うのかを整理してご紹介します。
【この記事を読んでわかること】
・従来型OCRが、レイアウトごとの設定を必要とする理由
・レイアウト変更のたびに発生する、設定・保守コストの構造
・「読み取り」と「加工・判断」の対応範囲の違い
・読み取った後、kintone上でどこまでデータを活用できるか
・機能面・コスト面をあわせた総合的な比較
従来型OCRの仕組み:帳票の「位置」を教えないと読み取れない
従来型のOCRの多くは、
「帳票のこの座標に、会社名が書かれている」
「この枠内の数字が、金額である」
というように、
帳票上の位置情報をあらかじめ登録しておく方式を採用しています。
請求書のフォーマットが取引先ごとに統一されているような場合は、
この方式でも問題なく運用できます。
しかし実際の業務では、
・取引先ごとに、請求書のレイアウトが異なる
・同じ取引先でも、時期によってフォーマットが変わる
・手書きの帳票では、記入位置に個人差がある
というケースが多く、
1つの位置設定だけでは、様々な帳票に対応しきれない
という課題が生じやすくなります。
正規表現(決まった文字パターンで値を拾う設定)を組み合わせる製品もありますが、
これも「請求書番号は必ず英数字10桁」のような、
決まったパターンがある場合にしか機能しません。
帳票ごとに表記のゆれや例外が多い日本語の帳票では、
この位置指定・正規表現方式だけでは、
運用が難しい場面が少なくありません。
レイアウトが変わるたびに発生する、設定・保守の負担
位置指定方式のOCRでは、
帳票のレイアウトごとに個別の設定(テンプレート)を作成する必要があります。
そのため、
・取引先の数だけ、テンプレートを用意しなければならない
・取引先が帳票フォーマットを変更した場合、その都度テンプレートを作り直す必要がある
・自社の担当者だけでは設定が難しく、ベンダーへ都度依頼するコストが発生する
といった運用負担が積み重なりやすくなります。
導入時の初期費用だけでなく、運用を続ける中で発生するテンプレート作成・保守の費用
まで含めて考えると、想定より運用コストがかさんでしまうケースもあります。
一方、AI-OCRプラグイン for kintoneでは、
「会社名を抽出」
「請求書番号を取得」のように、
「ことば」で指示するだけで設定が完了します。
生成AIが帳票の内容そのものを解析するため、レイアウトが異なる帳票でも、
同じ設定のまま読み取ることが可能です。
取引先が増えたり、帳票フォーマットが変わったりしても、
その都度テンプレートを作り直す必要はありません。
「読み取り」で終わるか、「加工・判断」まで対応するか
従来型OCRの多くは、帳票に書かれている文字を、
そのままテキストとして抽出するところまでが基本機能です。
そのため、OCRの後に、
・住所から郵便番号を調べて入力する
・法人形態の略称を正式名称に直す
・契約書の自動更新条項の有無を、人が読んで判断する
といった作業が、
結局は手作業として残ってしまいます。
AI-OCRプラグイン for kintoneでは、
「読み取り」だけでなく、「加工」「補完」「判断」まで対応しています。
例えば、
・住所から郵便番号を自動補完
・「(株)」を「株式会社」に自動変換
・契約書の自動更新条項の有無を自動判定
・備考欄の自由な文章から、納品条件などを解釈してドロップダウンへ自動登録
といった、
従来はOCRの後に発生していた手作業まで、
まとめて自動化できます。
「文字を読み取れるか」だけでなく、
「読み取った後の加工・判断まで対応しているか」は、
比較の際に見落とされがちな、業務効率に大きく影響するポイントです。
この処理範囲の違いは、生成AI単体でOCRを運用する場合にも共通する論点です。
あわせて下記の記事もご覧ください。
読み取った後、kintone上でどこまでデータを活用できるか
従来型OCRの多くは、
読み取った値をCSVやExcelへ出力するところまでが提供範囲です。
その後、
・データをどこかのシステムへ取り込む
・複数人で確認・承認するためのフローを組む
・蓄積したデータを検索・集計する
といった仕組みは、
別途自社で用意する必要があります。
AI-OCRプラグイン for kintoneであれば、
読み取った値がそのままkintoneのレコードとして登録されるため、
・ワークフロー機能と連携した承認フロー
・条件に応じた担当者への通知
・部署ごとのアクセス制御
・蓄積したデータの検索・集計・グラフ化
・kintone上でのAIによるデータ分析
まで、追加のシステム開発なしでシームレスに活用できます。
OCRを「入力業務を楽にする機能」として導入するだけでなく、
読み取った後のデータをどう業務に活かすかまで見据えると、
kintoneと組み合わせて運用できる意味は大きくなります。
機能とコストをあわせて比較する
ここまでの内容を、あらためて整理してみましょう。

位置指定・正規表現方式の従来型OCRと、
AI-OCRプラグイン for kintoneには、
設定方法だけでなく、
・対応できる帳票の幅
・読み取った後にできること
・費用が発生するタイミングと範囲
において、それぞれ違いがあります。

特に、
・レイアウトごとのテンプレート作成・保守費用が別途発生するかどうか
・読み取った後の加工・判断まで対応しているかどうか
・kintoneのような業務基盤と連携し、データを活用し続けられるかどうか
などは、導入時の価格だけでは見えにくい部分であり、
長期的な運用コストや業務効率に大きく影響します。
レイアウト設定不要のOCRで、運用の負担を減らす
今回ご紹介したように、
従来型のOCRとAI-OCRプラグイン for kintoneでは、
設定方法・対応範囲・その後のデータ活用のいずれの面でも、
違いがあります。
・レイアウトごとのテンプレート作成が不要
・「ことば」で指示するだけで設定が完了
・読み取りに加えて、データの加工・補完・判断まで対応
・kintoneと組み合わせることで、ワークフロー・通知・検索・集計・AI分析まで一体的に活用可能
・年額6万円からの定額制で、追加のテンプレート作成費用は発生しない
という特長があります。
「以前OCRを導入したが、レイアウトごとの設定が大変で使いこなせなかった」
という方にこそ、
一度試していただきたい仕組みです。
AI-OCRの比較検討をされている方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
参考:kintoneのAI-OCRプラグイン、比較で失敗しないための5つの選び方【AI-OCR活用】
帳票の自動入力の具体的な活用例については、
下記のまとめ記事もあわせてご覧ください。
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