コロナ禍を経て、電子取引の導入を決めた企業は急増しており、
請求書や領収書といった書類をデータでやりとりするケースは
珍しくなくなりました。
ただし、電子取引を行う際の書類の取り扱いには注意が必要です。
電子帳簿保存法(略して電帳法)を一言でまとめるなら、
書類をデータとして保存するにあたり、必ず守らなければならない法律です。
この法律の管轄は国税庁で、もし違反してしまうと
「税務上、書類を保存していない」ことになり、
最悪のケースでは青色申告が取り消されてしまう可能性もあります。
本記事では、
・電子帳簿保存法とは何か
・電子取引データを紙で保存できなくなった理由
・税務署への届出・承認は必要なのか
・改正内容で特に注意すべきポイント
・具体的な対応方法
について、最新情報にもとづき解説します。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿・書類を電子データとして保存する際の
ルールを定めた法律です。管轄は国税庁であり、この法律に違反すると、
「税務上、書類を保存していない」という扱いになり、
最悪のケースでは青色申告が取り消されてしまう可能性もあります。
電子取引データの電子保存は、令和3年度税制改正で義務化されて以降、
令和4年度・令和5年度と段階的に改正が重ねられ、令和6年(2024年)1月1日から、
紙での保存を原則認めない形での運用が完全にスタートしています。
2026年現在、すでに多くの企業様が対応を進めていますが、
猶予措置の要件や検索要件の緩和など、細かな制度変更は
その後も続いています。「一度対応したから大丈夫」ではなく、
最新の内容を定期的に確認しておくことが重要です。
次の項目から、特に押さえておきたいポイントを解説します。

電子取引を始めるのに、税務署への届出や承認は必要ですか?
結論から言うと、電子取引に関する限り、
税務署への届出や承認は一切必要ありません。
そのため、思い立った今、課税期間の途中であっても、
さっそく電子取引を始めることができます。
「電帳法に対応するために、まず届出を出さなければ」と
誤解されている方も少なくありませんが、電子取引についてはそのような
事前手続きは不要です。ただし、後述する保存要件を満たした形で
データを保存する必要はあるため、その点はあわせてご確認ください。
2024年1月1日以降、電子取引データの紙保存はNGに
電帳法の改正内容の中でも、特に多くの企業に影響するのが、
電子取引データを紙に出力して保存することが認められなくなった
という点です。
令和5年12月31日までは宥恕期間が設定されており、
例外的に受領した電子データをプリントアウトして保存することが
可能でしたが、令和6年1月1日以降は、電子データのまま保存することが
完全義務化され、電子データを紙にプリントアウトして保存することが
できなくなりました。
電子取引で交わした書類データは、紙への出力・保存は認められません。
つまり、先方よりメール添付などで受け取った請求書などのデータは、
プリントアウトせず、必ずデータのまま保管する必要があります。
メール添付で受け取ったデータだけでなく、ECサイトからダウンロードした
領収書データなども電子取引にあたります。
現在、メールで送付・受領した請求書・領収書などをプリントアウトして
保管している企業様は多いと思いますが、こうした習慣は、
電帳法の観点で言えば、改めなければなりません。
改正内容で特に注意すべきポイント:適正な保存を担保する措置
改正内容の中でも、特に留意していただきたいのが、
「適正な保存を担保する措置」に関する規定です。
隠蔽・仮装には重加算税
電子書類を保存する際、何らかの隠蔽や仮装があった場合、
重加算税の罰則があります。今後は、電子契約の運用、電子書類の管理において
ガバナンスの本質的な強化が求められます。
紙への出力・保存は認めない
先述の通り、電子取引で交わした書類データの紙への出力・保存は
認められません。2023年(令和5年)までは宥恕期間が定められており、
例外的に書類データをプリントアウトして保管することが可能でしたが、
2024年(令和6年)1月1日以降は、紙への出力・保存が税務上
認められなくなりました。
電子帳簿保存法に関するよくある質問
Q. 電子帳簿保存法への対応にあたり、税務署への届出や承認は必要ですか?
電子取引に関する限り、税務署への届出や承認は不要です。
課税期間の途中からでも、電子取引を開始することができます。
Q. 電子取引データを紙に保存することは、今も認められていますか?
令和6年1月1日以降、電子データのまま保存することが完全義務化され、
紙への出力・保存は認められなくなりました。
Q. 電子帳簿保存法に猶予期間はありますか?
令和5年12月31日までの「宥恕措置」(無条件で紙保存も認められる経過措置)は、
既に終了しています。令和6年1月1日以降は、電子取引データの電子保存が
原則として完全義務化されました。
ただし、令和6年1月1日以降も、資金繰りや人手不足などの相当の理由が
あり、税務調査時に電子データのダウンロードや出力書面の提示に応じられる
事業者については、検索要件等を満たさない形での保存が認められる
「猶予措置」が別途設けられています。猶予措置の適用に事前の届出は
不要ですが、無条件で紙保存だけが許されるわけではない点に注意が必要です。
Q. 電子帳簿保存法の保存要件には、どのようなものがありますか?
真実性の確保(改ざん防止)と可視性の確保(検索性の確保)が
主な要件です。特に検索性については、相手先・日付・金額といった
項目で検索できる状態にしておく必要があります。
なお、判定期間における売上高が5,000万円以下の事業者等は、
検索要件そのものが不要となる緩和措置も設けられています。
kintoneとAI-OCRで、電子帳簿保存法への対応を効率化
弊社サービスをご利用いただくことで、令和4年以降の電帳法改正にも
対応可能となります。電子契約の運用にとどまらず、相手から受け取った
見積書・請求書・発注書などもkintone上で適法に文書保管することが
できます。
上記のような国税関係書類のデータ保存をする場合には、電帳法の
検索性要件への対応が必要となります。しかし、
AI-OCRプラグイン for kintoneをご活用いただくことで、
電帳法で要求されている相手先、日付、金額などの情報入力を
自動化いただくことが可能です。
また、請求書などを保存する場合にはインボイスの確認作業が必要になりますが、
インボイス対応も弊社の適格請求書発行事業者確認プラグインをご活用いただくことで、
自動化いただくことが可能です。相手先の商号なども自動取得されるため、
電子帳簿保存法で要求されている検索性要件への対応も効率化できます。
さらにkintoneで文書管理を実施いただくことで、顧客管理(CRM)や
従業員管理との連携や、社内ワークフロー機能や電子契約機能との連携により、
電帳法対応を業務改善やDXに繋げることが可能になります。
より具体的なkintoneによる電子帳簿保存法対応につきましては、
下記の記事もあわせてご参照ください。専用の文書管理システムを
導入されたお客様でも対応に注意が必要となりますので、ぜひご確認ください。
参考:kintoneで簡単実現!令和6年改正電子帳簿保存法への具体的な対応方法
帳票の自動入力の具体的な活用例については、
下記のまとめ記事もあわせてご覧ください。
AI-OCR活用方法のまとめ記事はこちら kintoneでOCRを活用したデータ入力・加工の自動化まとめ【AI-OCR活用】
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